明日の事は

1/1

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ

明日の事は

『ねぇ、明日何する?』  何さ、藪から棒に。何って、君がお休みなんだから一緒にお布団でごろごろして過ごすでしょ? いつだってそうじゃないか。  寒いから、良いよね、その方が。 『ちょこっと、外に行こうかな』  げぇ、こーんなに寒いんだよ? お外はもっと寒いよ。二人でくっついてた方があったかいじゃない。僕のモフモフに埋もれて良いんだよ?  だから、お外行くなんて言わないで。あったかぬくぬくしてようよ。 『まー明日の事は、明日の自分が決めてくれるか』  ちょっと、君今日は何か変みたい。お家で迷ったりさ、ヘンテコな事する事は度々あるけど……今日は何だか少し匂いも違う気がするかも。  おかしいな、昨日まで何ともなかったのに。 『なあに、首傾げちゃって可愛いなぁ、もう!』  あっ、ちょっといきなりぎゅうするなんて! ……まあいっか、お疲れの君をめーいっぱい甘やかすのだって僕の立派なお仕事ですからね。甘んじて受けようじゃないか。  それより、今日もお休みなんだから今日はごろごろして過ごそうよ。美味しい物宅配しちゃってさ、僕にはアレをくれると嬉しいなぁ。君ならきっとくれるよね。ね?  毛にぐりぐりと顔を埋めてついでにすぅはぁ息を吸い込むのに夢中な君は既に聞いちゃいないけど……。 『あったかいね、』  そうだね、ぽかぽかするよ 『ずっとこのままがいいなぁ』  ずぅっと一緒でしょ、何言ってるの 『──すぅ』  え、寝たの? 起きたばっかりじゃない、ちょっと、ちょっとー……、まぁいっか。君とぽかぽかしながら眠るのは嫌いじゃないから。  それにしても変な君。  今日は何だかヘンテコリン。  この匂いは何だろう、少し変わった匂いだな……  ふわぁ……  あぁ、君の腕の中ってどうしても眠たくなっちゃう  僕もちょこっとおやすみ  明日の事なんて僕にも分からない、分からないけど分かる事もあるよ  それは、君と変わらない日を過ごすって事  明日の毛並みは明日の僕がきっちり決めてくれるだろうね  安心して眠れるよ、こんなに一日ずーっと寝てたら夜中に目が覚めちゃうかもね? いいよ、おトイレだってちゃあんとついて行ってあげるんだから  それで、目が覚めちゃったって言って君と夜中のお茶会も悪くない  今は、おやすみ
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加