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『月曜夜9時から禁断の恋、はじめてみませんか?』
背徳感あるキャッチフレーズが書かれた巨大看板が、大学周辺にあるビル群の一角に飾られていたことに気が付いたのは後期授業のガイダンスの為、久々に登校した時だった。
そこには超人気ハリウッド俳優、龍ヶ崎翔琉と今をときめく2.5次元俳優、天王寺飛海が共演者キラーと呼ばれる魔性の女優、姫宮華を間に挟み、妖艶で挑発的な視線をこちらへと向けていた。
10月から始まる噂の月曜夜9時のドラマ宣伝看板だった。
その衝撃的なビジュアルとキャッチフレーズに、平凡で貧乏な大学生の俺、高遠颯斗は思わず自転車を押しながらこっそりと看板を見上げる。
9月も中頃だというのに、まだまだ残暑は続いていた。だが、背後を通り抜ける風はいつの間にか心地好い秋の風へと変わっている。
このドラマがクランクインしたせいか、最近めっきり俺の想い人である龍ヶ崎翔琉とは顔を合わせていない。
連絡も滞っているので、僅かな時間さえも抜けられない程撮影が忙しいのだろう。
「……それにしても随分、肌色の割合が多い看板だな」
鎖骨までのアップではあるが、漆黒の背景に3人が何も身に纏わず絡む姿はとても刺激的で、街中で目にするにはだいぶ気恥ずかしいものだった。
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