砂の男

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熱い。 僕はしばらくの間、自分の右手の甲が焼けただれていると気付かなかった。 「暑い。」 8月。渋谷スクランブル交差点の真ん中で、真夏の装いをした人の往来に揉まれながら、数秒前の僕は小声で呟いていた。
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