第102話 【不穏】

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    「云うのは簡単だがよ、テメェらは関与(かんよ)しねえ気かい?」 「これは“恩赦(おんしゃ)”だ。慈空ともども我が宗の戒律(かいりつ)を乱し───“あの事件(じけん)”を引き起こしたきさまらへのな」 ふたりは黄丹の怜悧(れいり)(ひとみ)に突きさされ、押し(だま)った。 黄丹は(ひるがえ)り、寺院へ向かう。 すくと止まり── 「それとだ──『雪代(ゆきしろ)』を探せ。厄介(やっかい)同志(どうし)がぶつかればこれ以上に手間(てま)(はぶ)けることはない」 (つみ)(つぐな)え───下衆(げす)どもが。 黄丹は吐き捨て、寺院にすがたを消した。  
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