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「あっちゃ~。それ言葉にしちゃ不味ィんじゃねえの?」
「だれが聞いているかわかりませぬぞ」
「この議題はすでに総会のメインに据え置いた」
「“鵺”よりもっと深刻だってのかよ」
黄丹は眼で首肯した。
「蓮台の野にて祠が破られた」
蘇芳の瞳が、軽く歪んだ。
反応は薄い。わかっていたことだから。
慧玄も、おなじである。
「蘇ったのだ。【鬼】とならんで京の都を闇で染めた大妖───一族をまとめる大頭。四凶がひとり」
『土蜘蛛』が。
四凶は、存在そのものが世を禍で脅かすといわれるよっつ厄災。
「その土蜘蛛を復活させただけでは飽き足らず、ふたつめの四凶・『アカギ』にまで接触を図った」
『アカギ』───大妖・『大百足』の化身。クチナシ島を統率する皇帝。
ふたりは黄丹の言葉をただ聞いているだけで、反応はない。
それも、予想できたことだから。
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