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「夏の思い出Summer」といった文字(手書きのデコ文字)が入った写真を中心に、スクラップした写真が空き場を埋め尽くさんばかりに貼り付けられたコルクボードが彼女の部屋の窓辺に立て掛けられている。
誰だか思い出そうとすると苦い思いのする当時の遊び仲間や
友だちと呼びあった男達の顔の切り抜きや
妙に盛り上がって両手を上げて
海辺でジャンプしている切り抜きが
何枚も合わさって貼り付けられて、
青春っと言った言葉で表すとピッタリ来るような夏の海をメインカラーとしたコラージュとなっている。
今夏の暑さはそれほどでも無かったといえるかも知れない。が、気温の上昇に伴う脳内思考麻痺した頭で見るとそれは、とても夏、ザ夏、といった感じを受け、蝉の音のシャワシャワが降りしきる夏らしさをより感じられるような…部屋の一角であるというか。
その窓辺からは部屋の持主のひととなりが見て取れた。背後にあったかもしれない、えげつない人間関係も一括に、ナツの…で纏め上げ、コラージュして人目に、見て見てとばかりに晒している。しかしまあ言っでみれば
年中その窓辺は変わらず先程のコルクボードが立て掛けられてあったが。夏はまさに、それが周囲の様相に適合する唯一の季節、とも言えようか。
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