カトレア咲く窓

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雷雨から帰宅すると暗がりの中ヌイグルミが冷たい雷光に影を落としている。 つい先程まで母親の元でしていた土着の噂話や苦瓜の煮炊き法、最近の風潮などといった ヒト肌地味た暑苦し会話とは打って変わり、寒くひとけを遠ざけるかのような激しく降った雷雨とまだ時々瞬く雷光。そんなときにヌイグルミの目に光が当たり目に光が?と思わせることもあるが、それらは表情を持たず雷光をぴかりと反射させているだけの不気味さで満ちている。
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