嵐のように

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嵐のように

今日も静かな店内… 何の為に店を開けているのか… 自分の為…自分の夢…自分の居場所… 念願のダーツバーをオープンして、1年は良かった。 昔ながらの仲間、連れてきてくれたお客さん…だけど、世の中…そんなに甘くない。 よく言う…最初だけだ。 だけど、それでも良いと頑固な俺は店で投げ続けている…ただ入れたいとこに吸い込まれるように…ひたすら手を伸ばす。 本当は店の経営状況を考えると…何かしらしないといけない事も分かってるし、周りからも言われる…だけど、大きなお世話だ!ここは、俺の夢みた俺の店!俺の城なんだ! そこそこな歳になったら、柔軟な考えなんて分かってても変えられない…だけど、それじゃあ…続かない事も本当は分かっていた。 そんな時、突然…初めて見たお客さんが現れた。 20代の男の子、飲み会からの帰りにふいに寄ってくれた。どうやって知ったのか聞くと…どうやら、俺の昔の知り合いから店を知ったらしい…その知り合いの子の事は名前を聞いても思い出せない…それでも、ありがたかった。 近頃、常連も新規の客も来なくて…1人で店を開けて1人で店を閉める…そんな活気のない状況だったし…若い新規の男の子が来てくれた事は嬉しかった。 その男の子と飲みながら話ながら、ダーツを投げる…久しぶりに新鮮な気分で… 彼は何度か携帯をいじり、誰かに連絡した。 そして、彼女は勢いよく現れた。 「マルちゃん!久しぶり!!」 何となく見覚えがある…歳は彼と俺の間ぐらいだろうか?息をあげて、現れた…まるで嵐のように…彼女は知った口ぶりで俺に気安く話しかけ、彼の横についた。
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