もしもきみが

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もしもきみが

愛想のいい八百屋のきみがビジュアルなロッカーだとしても 機敏な鳶のきみがチケットを売る小劇場の役者だったとしても やさしい保育士のきみが夜に妖艶なクラブのママだとしても 交通取締の厳しい警察官のきみが大泥棒だとしても 殺人事件の犯人が探偵だったとしても 高校野球の球児の君がプロ野球なんて観たことがないにしても チャラけた兄ちゃんがヤーさんだったととしても 見方が真の敵でも 敵が真の見方でも ムスリムのきみがクリスチャンであっても 天使が実は悪魔であっても 悪魔が実は天使であっても 子どもと思っていても大人だったり 大人だと表いても子どもだったり 夫であっても誰かの恋人だったり 妻であっても誰かの恋人だったり 男であっても女だったり 女であっても男だったり 何があっても別段不思議ではないし 自分が多面だと思っていても 個性もない一面しかなかったり 仮面をかぶっていてもバレバレだったり 以外と思うのは他の人だけだ。 アイデンティティーなどと言っても結局は それだけじゃねーよと言うだけだ。
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