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あ"ー、眠い。昨日の一件で全然睡魔が現れなかった。てか、あれで寝れない奴いるの? 昨日を振り返り、お手上げ状態の俺は一人大事な友を無くしたわけで鬱屈した気分だ。 幸い、翔とはクラスが離れているので、多少の気持ちが楽になった。 一寸考えてみると、俺達の仲って野球でしか繋がっていなかった事に気がついた。ある意味、質素な関係だ 人生の1%のひと時にしか過ぎない。関わらなければいいんだ、きっと翔も関わってこない。 うん。藤田立夏なら心配無い。 大丈夫等と気休めな言葉でも自分にとっては心安らぐものだ。 兎に角、自分を鎮める事だけを考える。部活仲間とは言え、5年も共にしたんだ。一日ぐらいで良くなるとは思ってない。徐々に直していけばいいのだから 「おい、リツカ 金曜の最後の授業、マラソン大会あるの知ってっか?イヤだよなー! 金曜なんて次の日休みだ!ナンパし放題! ヤッフー!な気分ってのにマジでテンション、ガッタガタだよな」 やけに、片仮名と平仮名の多いこの馬鹿は俺の知り合いだ。成績は優秀なのに、頭のネジがどこか一本抜けている奴だ。 皆、関わりたくないと近寄らない。俺だって近づきたくない。思いとは裏腹に毎時間俺の近くに寄っては雑談しに来る。そのせいか、クラスの人達は俺にも近寄らない。哀しきかな 「おはよう加藤 今日も相変わらず、元気だな」 気が重い俺とは対象的に陽気なものだ。 気楽で羨ましいと思いつつ、仮にもクラスメイトのため愛想良く振舞、寮から学校までの距離を歩く 「おー、はよ あ"あ"、こんな眠いってのにどうして学校なんてあるんだ?」 おやつはバナナに入りますか並の馬鹿な問いに疑念をぶつけてくる。 いつもの俺だったら穏当な返しをしていたはずだ。しかし精神が参ってるこの状態で口から出た言葉は型破りなものだった。 「え?加藤は何の為に学校行ってるの? そもそも学校って何の為にあると思う?お前は頭が良いけど、まずそこから勉強した方が人の為だよ 中学の時、君たちは義務教育終了したから高校に通うのは個人の自由ですって習わなかったの?ここに入学したのは自分の決断じゃないの?ねぇ、どうして?」 少しの間があき、自分の失態に気づいた 俺は今、何を言った?多分、とんでもない発言をしてしまった。君は人々の為に生きてていいのか?等と言ってはいけないことを口走ってしまった。 「ぃ!ツカ! リツカ!聞いてるのか?」 「、え?」 やばい、いくら加藤でも暴言を吐かれて怒らない訳がない。図体が大きく、いつもより威厳に満ちているように思える 俺は殴られる覚悟を決め、少しでも痛みに耐えれるよう身体を強張らせる。 歯を食いしばり衝撃に備える ....あれ?殴られない、? 呆然とし、本人に目を向ける 「何してんの? ... もしかして、チュー待ってるとか?」 頓珍漢な反応をし、加藤は遅刻すると言って、俺の手を引きながらあと少し先の教室まで向かった。 入るや否やチャイムが鳴り、散らばっていた生徒達が自分の席に戻る。担任の姿がドアガラスから見えた時 「リツカ、これ食べて元気出しな」 同じ人とは思えない程、穏やかな声を口にしたので思わず目を見張った 貰ったものと張本人を見合わせ、慌てふためいていると手際良く大玉飴の包装を外し、俺の口の中に無理矢理詰め込む。 よく食べれました、偉い偉いと大層馬鹿にした様な言い方をし、自分の席へと着席した。 自分も席に戻ろうと思い立ったが、先程の出来事が衝撃的過ぎて一瞬、放心状態に陥る 担任から席に着席しろと催促されたので、いずれにせよ席に座らないと妙に思われてしまう為、何食わぬ顔で着席した。 運良く誰にも見られていなかったのはラッキーだったのだろう。 もし、見られていたらホモだと噂され、クラスだけでなく学校中の恥さらしだ。そんな思いは遠慮したい。にしても普通、男に食わせるのか?見た目的にも不快だろう。 苦悩する感情の勢いで噛み砕こうとしたが思いの外、美味しかったので飴に罪はないと理屈を立て、舐め終わるまで及んだ。 そう言えば加藤、俺が元気無いって分かってたんだな 今に至るまで数々の非礼に申し訳無さを感じ、後できちんと謝ろうと号令するのに合わせて決意した
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