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今までにない程の速さで教室に戻り次の時間に備え、準備をしたというのに時計の針は授業の約半分を指していた この学校で2年の月日が経つ中、初めてサボれば良かったのではと後悔した。 遅刻した罰としてグランド5周、授業の片付けが課せられた。片付けはまだ良いが、走らされるのは如何なものか。5周なんて楽と考える大馬鹿者がいるが、ここの校庭は一周が1.5キロ その5倍、7.5キロ。野球部に入ってたとは言え授業でやる一貫とは思えない不服さを教師に訴えようとしたが大抵はクラスの人気者や支持される者であれば、文句の一つぐらい言えば場の周りが和む雰囲気を俺が言ったところでどん引きされるだけだ。 即座に頭の中で予想でき口を閉じた。黙って走ろう それが一番利口だ。きっと7.5キロ完走すれば、授業も終了する時間帯になる。ある意味、授業しなくて済むんだ 無理矢理、思考をポジティブに持っていくと心が僅かだが楽になった。 「っ、はぁ、はっ ふ、っぅ」 7.5キロ走りきったのは良いけど、やっぱり授業で走る距離ではない。疲れた。 まぁ、丁度良く授業も終わったし後は片付けだけだ。これから遅刻しなければいい事だと納得しながら作業に取り組む。サッカーボールの籠を体育館倉庫室に入れようとした時に背後から俺の一回りの大きな影が現れる。後ろを振り向くと同時にリツカと加藤の声が重なる。 「お、おう 加藤じゃん。どうしたの?」 吃驚しつつも冷静な姿勢を見せ、何故授業中の加藤がこんな所に居るのかを尋ねる 「ねぇ、なんであの時無視して逃げちゃったの?」
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