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「大丈夫?」 「え……あ。うん、ごめん」 せっかく睦美さんと一緒なのに。 またボーッとしちまってた。 でも今度は妄想とか想像とか、そういう幸せなもんじゃねぇ。 勿論、大輔のことだ。 アイツがもし睦美さんのストーカーなら。 俺は彼女を守らなきゃならない。 でも大輔の事だって。 糾弾するだけじゃなくて、出来る限りフォローしてやりたい。 むしろ『何か』行動を起こす前に止めてやりたい! アイツは幼馴染だし、俺の大事な後輩だから。 「彰君、なんか変よ……もしかして体調悪い?」 心配そうにのぞき込む彼女に、俺は力なく首を横に振った。 「いや、そういうんじゃ……あ。電車」 構内アナウンス。人々のざわめき、耳につく停止音。人の流れはいつだって変わらないな。
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