自信のつく薬は男に飲ませるな

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とも子は一大決心した。 れい子の席に本人がいないのを確認し、そこにある鞄を開け、薬の瓶を探して取り出し、ふたを開けて薬を1錠出し、またふたを閉めて鞄に戻した。 それからみのるのクラスの教室に向かった。 みのるはいた。とも子は近づいていった。 「あれ、とも子、何でここに」 「みのる。飴1つあげるから食べて」 とも子はみのるに薬をあげた。みのるはすぐに口に入れた。 「どう?」 「何かあんまりうまくないな」 「というか、どんな気分?」 「どんなって言われても」 2人は向き合いながらしばらく沈黙していた。 そして突然、みのるは行動を起こした。とも子に抱きついてきた。 「え、何」とも子は急に起きた出来事に戸惑うばかりだった。 それから、みのるは唇を相手に近づけてきた。 「え、ちょっ、ちょっとそれって」とも子は顔をそむけつつ、落ち着いて考えをめぐらし、そしてみのるの腕を力づくでほどこうとした。何とか脱出できた。そのあと、みのるから離れようとする。 「何で逃げるんだ」みのるが迫ってくる。 とも子は走り出した。教室を出て、廊下を進んでいく。みのるがそのあとを追いかけてくる。 とも子はようやく自分の教室に戻ってきた。そこには、れい子、サチ、マユの3人がいた。 「あれ、とも子、何息切らしてるの」れい子が聞く。 「助けて。みのるの様子が変なの」とも子が答える。 「え、どういうこと」サチが疑問視する。 そこへみのるがやってきた。そして近づいてきた。 「あれ、みのる君」「だけどいつものみのる君じゃないみたい。妙に引き締まってるというか」サチとマユがそれぞれ言う。 それに対し、れい子は「もしや」とつぶやき、それから自分の鞄よりエナジニールと書かれた瓶を出してきた。 「とも子、あなた、これ飲ませたんじゃないでしょうね」 「実はそうなの」とも子は答える。 「男の人に飲ませてはいけないと書かれてることぐらい知ってるはずよ」 「ごめんなさい」 「何でこんなことを」 「だって私、みのるにせめてがんばり屋さんになってもらいたくて」 「あなた、みのる君が好きだからこんなことをしたのね」 「え?」 「はっきりさせなさい」 「うーん、えーと」 「まあいいわ。それからみのる君どうなったの」 「何か私に変なことしてきて」 「具体的にどんなこと」 「え、いやその、何というか、痴漢、みたいなこと」 「痴漢?」 「・・・ええ」 「まあよかったじゃないの、とも子さん、おめでとう」 「ええ、どういうこと」
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