第三話 部活とストーカー

1/1
33人が本棚に入れています
本棚に追加
/9

第三話 部活とストーカー

「眠い。」 伊名波さんと同じ部活に入れた その事実が昨日の夜、俺を寝させてくれなかった 「おいおい〜、お前寝不足のせいで目の下隈ができてんじゃん! 余計に陰キャ度増してんな〜」 こいつのウザ度も今日は余計に増してるな それに朝からこのテンションは流石に疲れる 「うるせ〜よ、元はと言えば お前があの時変なこと言うから。」 「ん? 俺なんか言ったっけ? 」 ポケ〜とした顔がこれ以上話す気を無くさせる 「は〜、もういいよ」 全校集会 「おはよう諸君! 会長の柄崎だ! 新学年へと進級をし、新たに気持ちを切り替えてこの高校生活を有意義なものにしてほしい」 その後校長の長々とした話が終わり、 教室に戻る途中 「見て。あれが例のストーカーの九条よ! 気持ち悪〜い」 まるで得体の知れない物体を見る時のように 軽蔑の目で指をさしてくる 「あれが?!本当にいたんだ〜! ストーカーされないように気を付けなくちゃ!! 」 「それな! アハハハ!! 」 この学校にも「ストーカーの九条」というあだ名は広まっている。当然のごとく、俺はそのあだ名でからかわれ続けている 教室での視線も痛い 「うわっ、ストーカーの九条だ」 「キモッ」 このように罵声が飛び交うのも日常茶飯事。 もう慣れっこだ 「まぁ、そんな気を落とすなよ九条。 お前も別に悪気があってやった事じゃないんだから。」 「良いよ、三加和。いつもの事だろ。 別に気にしてなんかないよ」 こういう時に優しくなるのはズルいだろ 放課後 「さて俺らも部活行こうぜ」 「おう」 高校入って初めての部活だ。今日も伊名波さんと話すことができるかな ……でも、伊名波さんも同じクラスなら俺のあだ名のこと 「こ、こんにちはぁ…」 まさに陰キャのような挨拶 「あ、こんにちは。九条くんだよね? 」 「はい! そうです!」 「どうぞ、入って。」 伊名波さんと普通に話せてる! 今日はそれだけで十分だ! 「あの、文芸部って何やってるんですか? 」 「ん〜。特別何かしてるって訳じゃないけど、本読んだりのんびりしてるかなぁ」 「そう…なんですね」 「…………。」 この沈黙が1番辛い。伊名波さんはずっと本読んでるけど それにしても、綺麗だ 「あの、伊名波さんは俺のあだ名の事 知ってますか? 」 「ストーカーの九条だっけ? 聞いたことはあるんだけど。 これってどういう意味?」 「いえいえ! 別に意味はないですよ」 「ふ〜ん……」 不思議そうな目でこちらを見た後、その目を読みかけの本に戻した カチッカチッと古びた時計の音だけがこの部室に響き渡る。 橙色の夕日が伊名波さんの美しさをより一層引き立て、その世界に俺は惚れ込む キーンコーンカーンコーン 「あ、もう時間だね。そろそろ帰ろうか」 「はい!! 」 「あと、雫で良いよ。敬語も使わなくて良いし、私も大和って呼ぶから」 「わ、分かった……雫」 「うん! 大和! 」 嬉しい。こうして女子と喋る事なんて、 今までなかったから、今とっても興奮してる こうして九条 大和と伊名波 雫の部活1日目が終わった。
/9

最初のコメントを投稿しよう!