0.01%の幸せ【差分】

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 缶の蓋を開けた寿だが、光一は手を伸ばさない。 「食べないの?」 「だりぃ。食わせろ」  あ~ん、と口を開ける光一にくすりと笑い、寿はクッキーをひとつ運んだ。 「うめぇ! お前も食えよ」 「うん」  二人で、芝生に座ってクッキーを食べた。  ちょっとした、ピクニック気分だ。 「おい、寿。口の周りに砂糖付いてるぞ」 「え?」  素早く、光一の顔が近づいた。  そして、ぺろりと舌で口の端を舐められた。
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