1.最悪の出会い?

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「よし、この全国天気の1分枠で終わり!頑張ろうな!」  トドDとともにスタジオの待機場所でCMの終わりを待っている。  ここまで4回の中継は何とか終えることが出来た。合間の打合わせでも、水野と揉めることもなく、順調に終わったと言って良い。  ただ、麻衣にもさすがに疲れが出てきていた。初めてで気を張っていたこともあり、そもそも朝が早いことに慣れていないのもあり、少し目眩がした。  でも、こんなことで初回を台無しにする訳にはいかない。出来れば水野にも認めて欲しい。  そんな想いで何とか持ちこたえていた。  最後の枠は、外からの中継ではなくスタジオで伝えることになっている。番組のメインキャスターともちょっとした絡みがある。  アドリブになるかもしれないのでくれぐれも焦らないように、と言われたが…… それは起こってしまった。 『はい、お天気ありがとうございます!』  最後の原稿を読み終えて、萩野キャスターが次のコーナーへと切り替えるはずだった。  しかし、初日の麻衣を気遣ってか、萩野キャスターは放送中に、麻衣にコメントを求めた。 『麻衣ちゃん、初日どうだった?』  心臓が飛び出るほど、一気に緊張が走り、頭が真っ白になった。何か言わなくては…と思えば思うほど、無言の時間が永遠に長く感じた。  何を言えば良いのか。自分はタレントではなく、お天気お姉さんとしてスタジオにいる。何か…天気に関わることを………
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