2.雲間に光が差し込んで

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 メイクを済ませてお天気室に行くと、既にトドDと水野が打合わせをしていた。  今日はデニム地のシャツを腕まくりしている。すらりと伸びた指で赤ペンを持って真剣に原稿を眺めている姿が、相変わらずのイケメンぶりだ。 「おはようございます!」 「うーっす」  トドDが椅子に深く寄りかかったまま手をあげて答える。水野はこちらを向きもしない。地味に傷ついたが、流すことにした。  なんだか打ち合わせが、膠着状態のようである。麻衣は、昨日から気になっていたことを聞いた。 「あの……お二人っていつから働いているんですか?」 「あ〜俺は21時くらいかな」 「曜日によるけど、俺もそれくらいっすね。」 「えぇ!?」  トドDと水野が口々に言ったことに、あまりに驚いてむせかえった。 「21時って……夜寝てないんですか?」 「いや、俺も水野も2時間くらいは仮眠してるよ。あとは仕事終わってから昼間に寝てるから。」 「いやでも、それって完全に昼夜逆転ですよね……っていうか、水野さんはラジオから働きっぱなしっじゃないですか…」  背中で聞いていた水野が、ぐるりと回転椅子を回してこちらを向いた。 「俺、ラジオのこと言ったっけ?昨日聞いたの?」  まずい。調べていたことを知られたら、ものすごく恥ずかしい。 「えと、オンエア聞きました。鶴野さんからラジオやってるって聞いて。」  麻衣は即答で嘘をついた。ごめんなさい、鶴野さん。。。 「ふうん」  水野は、麻衣をじろじろと見た。ラジオを聞かれて嬉しいのか嫌なのか、表情が読めない。 「ラジオ聞いたなら話が早いな。はい、今日の原稿。」  椅子に座ったまま右腕をぐんと伸ばして、麻衣に原稿を渡す。  麻衣はそれを急いで受け取った。
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