想いを伝える日

1/1
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ

想いを伝える日

翔月と話さなくなってから数日が経った。 俺が避けてるせいでもあるけどな。 あれ以来、翔月から電話もメールも来ない。 まっ、別にあいつが居なくても平気だ。 昔の生活に戻るだけだからな。 「翔月、ありがとうな」 「いえ。委員長として当然ですよ」 クソ、タイミング最悪だ。まさか、ここで会ってしまうとはな.......... とりあえず、逃げるか。 「満鶴さん.....?」 「..........!!!」 やべ、バレた..........逃げるか。 俺は翔月がいる方向とは逆方向に走って行った。 「満鶴さん!待って!!」 「追いかけてくんな!!」 俺はそのまま走って、自分の家に向かった。 はぁはぁ.....さすがにここまでは来れないだろ。 あいつ、俺の家知らないからな。 もう、疲れた。ちょっと寝るか..........起きたら試験勉強しよ。 《ピーポーン》 ..........ん?インターホン? 誰だろ、宅配の人かな? 「はーい」 《ガチャ》 「満鶴さん、お邪魔します」 「え.....は?なんでお前がここに.....?」 「満鶴さんの知り合いに聞いて教えて貰った」 いやいやいや!?ふざけんなよ、個人情報だろ!? 早く追い出さないと!!! 「こっちは試験勉強があんだよ。帰れ」 「帰らないよ。満鶴さんが話を聞いてくれるまで」 しつけぇなこいつ.......... 「俺は話すことなんてねぇよ。分かったら 早く帰れ」 「..........満鶴さん!!!」 「おい、何すんだよ! うっわ!!!」 《ドダン》 ..........俺は今、何をされてるんだ?床ドン? というやつか? ってそんな呑気なこと考えてる場合じゃねぇ。 「おい離せよ!おい!」 「満鶴さん..........」 《チュ》 「..........ん!?」 こいつ何をして、クソ.....力強くて振り解けない。 「ん..........んぅ..........」 苦しい.....もう息が出来ない。 俺は息がしたくて、口を開けた。 すると、翔月の舌が口の中に入ってきた。 「んん!?..........んぅ..........ふっ」 やばい、力がどんどん抜けていく。 このままだと、やばい。早く突き飛ばさないと..... 「..........ぷはぁ!! 翔月 まっ.....んっ」 まだするのかよ..........もうこっちは心臓もたねぇよ。 「んんん..........ぷはぁ......ハァハァ」 「満鶴さん、俺から逃げないで。俺から離れないでよ」 ..........こいつはなんなんだよ!女いるくせに、俺に離れないでとかなんなんだよ! 「..........女いるくせに」 「は.....?」 「前、お前が女と話してるを聞いた。女恐怖症のくせに、話せるとかなんなんだよ」 「..........あはは。満鶴さん、それ嫉妬?」 は?嫉妬? する訳ねぇだろ。 もう、お前なんか.......... 「好きじゃない」と言うつもりなのに その言葉は喉につっかがって、出てこなかった。 「満鶴さん、俺はあなた以外を選ぶ気ないよ。あなたとずっと生きていく。信じてください。決して、裏切らない。 もし、裏切ったら殺してくれても構いませんよ」 俺は馬鹿だ..........こいつが嘘つくような奴じゃないって知っていたのに.....自分に対するイライラをこいつにぶつけてしまった。最低だな、俺は.......... 「..........めん..........ごめん、翔月」 「.....やっと、名前を呼んでくれたね」 「ごめん.....ごめん.....」 「もういいよ。分かってくれればいいんだ。」 「翔月..........」 「デート、ちゃんとしようね」 「あぁ.....」 《次の日》 「満鶴さん、おはよう」 「おはよう、翔月」 またこうして、翔月との関係が元に戻った。 でも、前よりはもっと近づけた気がする。 まだ、手を繋いだり、キスをするのは恥ずかしいけど.......... そのうち、慣れていくよな? またこうして、俺らの関係は始まった..... 《続く》
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!