『助けて』という日

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『助けて』という日

《帰り道》 もう、十時か。塾ってめんどくさいなぁ..... はぁ.....あいつの連絡先知っても、あいつに連絡先教えてもいいことないよな..... 迷惑極まりない。どうしよう、消したい。 でも、消したら怪しまれるよな..... それに.......... 『もし、俺が満鶴さんのことを好きって言ったら?』 何思い出してんだよ。あんなの、ただ俺をからかうためのエサに決まってんだよ! ったく。考えるだけ無駄だ。 「ねぇ、そこの君.....」 「はい?」 「君、可愛いねぇ。おじさん達と遊ばない?」 うっわ.....変態集団だ。しかも、女と間違えてねぇか? ま、男ですって言えばこの場から消えるか。 「すみません、俺、男なんで.....それじゃ」 ふぅ、これで大丈夫だな..... 《ガシッ》 「!?」 「知ってるよ、だから話しかけたんだよ」 こいつら.....ホモかよ。気持ち悪いな。 集団じゃ.....相手にするのは難しいな。とりあえず、振り払って走って逃げるか。 「離せ!」 《バシッ》 よし、逃げよう。 俺は家の方面へ走って逃げた。 あいつら、追いかけてきてるな.....このまま走ってても明日とか話しかけられてしまう。 家までバレてしまう..........どうしたら.......... 『もしも、何かあったら連絡してね!』 ..........くそっ!!! とりあえず、そこの曲がり角を曲がって影に隠れるか。 「どこいったんだろ~出ておいでよ~」 「この辺にいるはずだから、探すぞ、お前ら!」 「「「おー!!」」」 行ったか.....? とりあえず、スマホを取り出すか.......... ..........あった、これだ。 「...............」 あの人のことだ。断りそうだなぁ。 あーあ、告白なんてしなければ良かった! 告白しなければ今のままの距離でいられたかもしれないのに..... 《プルルル》 ん?電話? 満鶴.....さんから.....!? 《ピッ》 「はい、もしもし?」 『翔月.....助けて.....』 「満鶴さん!?どうした?あいや、今どこにいる!?」 『一丁目のコンビニの近く』 「分かった。すぐに行く」 《ピッ》 はぁ、はぁ。すぐに来てくれるっと言ったが見つかるまで時間の問題だ。 どうしよう..........とりあえず、少し離れたところに移動するか、それとも、コンビニに入るか..... 《タッタッタッ》 誰かこっちに来る!?やばい、見つかる 「こんなところにいたんだね、探したよ」 しまった。見つかった.....とりあえず早く逃げないと..... 「おっと、逃がさないよ。おじさん達はただ、君と遊びたいだけだよ。さぁ、一緒に来てもらおうかな」 「嫌だ、離せ!」 「大丈夫、気持ちことをするだけだよ」 「やめろ!離せ!お前らとなんか一緒に行くわけない!!」 「いいから、来い!」 怖い、チカラじゃ適わない.....怖い、このまま連れ去られてしまうのか。嫌だ、そんなの嫌だ。 翔月.....早く来てくれ!!! 「満鶴さん!!」 この声は.....翔月? 「かけ.....る.....?」 「あっれー?お友達か何か~?」 「満鶴さん、返してもらうぞ」 「おじさん達はこの子で遊びたいから~断ろうかな~」 「俺の親、警察なんだよ。もうすぐここに来るし、この会話も聞かれてるぞ?」 「ゲッ、きったねぇぞ!お前ら退散だ!!」 「は、はい!」 翔月.....翔月の親って確か、普通の社会人じゃなかったか?そんな嘘ついて大丈夫なのか..... 「満鶴さん、大丈夫?」 「.....った」 「満鶴さん?」 「怖かった、翔月」 「よしよし、もう大丈夫」 俺は今、翔月に抱きしめられてるのか.....? これが人の温もりなのか.....? 「か.....ける」 「なに?」 「あ、ありが.....とう」 「!!!」 こいつがいなければ、今頃、俺はあんな変態達に連れ去られていただろう。 だから、今日だけはお礼を言おう。 「満鶴さん.....」 「なんd.....」 俺、いま.....何されて..... もしかして、キスされてるのか.....? 「んっ.....ぷはぁ」 「今日は送りますね」 「あ、あぁ。っていうか、おまえ.....いま」 「満鶴さん、早くしないとあいつらまた来ちゃうかもよ?」 なかったことにする気か。 まぁ、その方がいいけどさ。今は答えなんていえるわけない。あした、ちゃんと答えを言おう。
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