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息子に話すと驚かない。
「そだよ、最近はカラフルだよ、花模様もチェック、水玉も好きみたい」
と詳しい。
「家もますます凄くて、ドアは開けっぱなしでモノがあふれ出ていて、上の方に彼女が通れるくらいの隙間が有って、そこから、這い出てくるのを見たよ、初めて見た時ぎょっとしたけど。バイトの遅番の帰りにはよく見かける、完全に逸脱した」
と、平然と言った。
逸脱・・・
もう彼女はレディ・ムラサキというより、レディ・レインボー。
「ムラサキの時は寂しそうだったけど、レインボーになってからは楽しそうだよ」と息子は不思議な見解も述べた。
すると、夫も「そうかもね」と言った。
「家の中はきっとタヌキの巣穴みたいになってて、居心地がいいんじゃないかな」
「だね」
と息子と夫は真面目に話している。
そんなものかと私も思った。
ゴミの中にちょっとだけスペースが有って、旦那さんとの思い出の写真とか、拾って来た造花とか、可愛いティカップが飾ってあったりして。
『ジョゼと虎と魚たち』のジョゼの家みたいな感じ。
「もし人を愛しすぎて狂ったなら、それは美しいんじゃないの?」
息子が真顔で言った。(終わり)
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