僕の名前はヒノマル!

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僕の名前はヒノマル!

「おい、ちょっとそこの君」   廊下を歩いていると後ろから突然男の声が聞こえてきて、シズは足を止めた。 「何か私に御用ですか?」 「御用も何も、その格好は何だ?」 黒いローブに身を包み、知的なメガネをかけた男がビシッと指差す先には、シズの着ている忍者服。 「ここは正統なる魔法使いの学校だぞ。そんな野蛮な連中の服を着るなど……」 「なんですって?」 刺し殺されるような冷たい視線を向けられて、「うっ」とローブの男は一瞬怯んだ。 が、すぐに表情を戻すと、眼鏡をくいっとあげて動揺したことを誤魔化す。 「き、規則は守らなくてはいけない! 早く魔女のローブに着替えてきなさい」 「なぜそんなことを命令されなければいけないの? というより、あなたは誰ですか?」 呆れたように話すシズの言葉に、「なっ!」と男の顔が驚愕する。
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