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「この学校にいながら……ぼ、僕のことを知らないだと?」
「ええ。まったく存じ上げませんけど」
平然と答えるシズに、男はますます言葉を失う。
そして気を取り直すようにわざとらしく咳払いをすると、突然胸を張った。
「僕は千年以上続く正統な魔女家系の申し子で、この学校で歴代トップの実力を持つ魔法使い。ヒルセント・ノルガール・マルティノスと聞けば、魔法界でも知らない人間はいないぞ!」
ふんと、見えない薔薇でも口にくわえていそうな彼のドヤ顔に、シズは冷めた視線を送る。
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