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まったく、最後の最後まで余計なことをしてくれましたわね。
シズは顔を伏せると心の中でぼそりと呟く。
そして再び目の前の相手を見ると、はっきりとした口調で告げた。
「その願書は、双子の妹であるリルのものです。私はその姉のシズ。今から元の世界に戻って、妹を呼んできます」
「おかしいですね……この願書には、あなたに姉妹がいることなど書かれていませんが?」
「……」
姉妹の縁を切ったことが、こんなところで余計な足枷になるなんて。
シズはくるりと女に背を向けると、落ち着いた口調で言った。
「何にせよ、それは私ではありません。今から本人を連れてきます。それであなたも納得して頂けるかと……」
「それは許されません」
先ほどとは違い、蛇の睨みのような鋭い声がシズの耳に届いた。
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