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校門の前まで来ると一人待っていた。
「遅い」
私よりも10㎝以上背の高い男子生徒が門の横に立っていた。それは私がよく知る人である。
「あ、湊」
「あ、じゃない」
「知り合い?」
「知り合いというか…」
湊が私の前で手を出す。何かをくれと言っているように。
「何?」
「おいおい…」
湊は頭を抱えため息をついた。さっきも見たなこの光景。
「今日家を出てまず何した?」
「家を出たら鍵閉めた。あ、鍵か」
私は思い出して鞄から鍵を探す。
「ちょっと待ってよ?夕日ちゃん、この人とどんな関係なの?」
と阿紀さんは慌てた様子で聞いてきた。私は普通に「いとこ」と冷静に返す。
「いとこねぇ…えっ!?」
この人は白浜湊。同じ学校に通う同い年の一応私のいとこである。
「いとこが同じ学校!?でも鍵って…どういうこと!?」
「俺は伯母さんの家に居候させてもらってるんだ。変な勘違いすんな」
しばらく阿紀さんの混乱は続いた。
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