梅雨の日の午後

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「えっ、はい?」 「他の人は?」 「もういないけど」 「帰った??」  彼女の顔は信じられないという顔で聞いてきたのでつい間髪いれず頷いた。 「信じらんない、ほんとに…何度言えばわかんの…」  そして頭を抱えて深いため息をつく。  何気なく話しているがこの人は私も知っている。クラス委員をする阿紀日和さんだ。 「黒森さんも言わなきゃ駄目だよ、掃除サボるなって」 「何故?」 「掃除が一人でできるわけないからだよ」 「できなくもないけど」 「黒森さんはそうかもしれないけど困るのはあいつらなんだから」 「困る?でもやりたくないのは彼女たちの意思だし」 「そうなんだけどさ…」  また頭を抱えた。と思えばすぐに 「よし」  と気を直して机を持って片付けはじめた。 「うちも手伝う。机直すから黒森さんごみ掃いといて」 「えっ、でも」 「二人の方が早いでしょ」  そういうとどんどん片付ける。私も慌てて箒を持ってごみを掃いていく。
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