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二人の交際は皆が知っていたが、ひと月ほどすれば改めて話題に上ることも無かった。それくらいお似合いだった。
たとえば梨沙が、スイーツや花火大会の写真を見せてくれる度、本当は苛々していたのだ。ああ、この隣には汐田さんがいるんだ、と邪推して。
ただの事務連絡で送ったメッセージが返ってこない時間、汐田さんは梨沙の柔い髪を撫でているのだろうか、なんてーーもともと返信の速い人でもなかったのに、止まれない。
梨沙は好きだ。汐田さんも好きだ。好きな人と好きな人が一緒にいるのが、どうしてこんなにも苦いんだ。
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