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「はぁぁっ!」
びっくりとした中に、性的な艶を含んだ声が上がる。それに俺は探し当てたことを確信し、にやりと笑った。さっきの比ではない快感に、アシームは目を強く瞑っている。そして膝をこすり合わせ、体を小刻みに震わせていた。その快感に耐える姿は可愛らしいのだが、これではアシームの顔が見えない。
「旦那、自分で膝を支えて」
俺は膝裏に手を添えると、体を折りたたむように押し付ける。すると素直にアシームは、自分の膝に手を伸ばした。自ら恥ずかしい格好をしているとは知らずに。はふはふと息を荒げ、ただ俺の言葉に従う。その従順さが俺の心を刺激した。
「わかるかい。ココが旦那を女の子にする場所さ」
「わたしが……、おんなに……?」
「そうだよ。ずっと、こうされたかったんでしょ?」
「あっ……、あぁ……。そうだ、わたしは……」
そこでアシームは言葉を切る。そして息の合間に、熱に浮かされたように呟いた。
「誰かに、わたしを貫いてほしかった。情を交わしたかったんだ。そうして、満たしてほしかった」
その誰か、の一人に俺がなったことが喜ばしい。今夜だけの相手だとしても、俺自身にとっても特別な夜になることは間違いなかった。最初は恩返しのつもりだったのに、いつの間にか俺自身ものめり込んでいってしまっている。もしかすると、あの刃を向けられた瞬間から俺はアシームに惹かれていたのかもしれない。
こんな寂しく、そして淫らな熱を燻らせているこの男に。
指を二本に増やし、浅いところを重点的に攻めればアシームは身をくねらせる。ベッドの上で披露されるダンスに、俺は今すぐつながってしまいたい欲に駆られた。
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