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真実と世間の認識の間
「そりゃあそうだよ」
「本当に?」
間髪入れずに念を押されて僕は眉間を寄せた。
「……なに?」
165センチしかない僕よりもはるかに高い目線から彼はクールに言い放つ。
「それ誰も信じないよ」
珍しく冷たい眼差しと声色に僕は僅かに動揺する。
「高学歴で高収入、実家も裕福。
それなのに四十歳の年齢で独身。
そんな中年男性が急に若くて可愛い男の子を養子にして
一緒に住み始めたら
世間は当然」
窓に突いていた右手が引かれて
孝介の長い人差し指が僕の胸元をトンと突いた。
「抱かれてるんだなって思う」
「そっ……!」
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