僕の頬を撫でおろす君

1/1
11人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ

僕の頬を撫でおろす君

お世辞にもハンサムとは言えないくたびれた中年太りの男性に 裸に剥かれて圧し掛かられる己の姿が脳裏によぎってゾッとする。 「当たり前でしょう?わからなかった?」 「女の子じゃないし!」  頭を振って訴える。 「それだけハイスペックなのに独身四十男、 同性愛者でも不思議じゃない」 「三上さんはイケメンてわけじゃないし、物凄く口下手だから」 「どんな容姿だろうがつまらない男だろうが 金さえあれば寄ってくる女なんていくらでもいるさ」  息をのんで俯く僕を見下ろしながら 強ばった筋肉を宥めるように孝介はふわりと僕の頬を撫でおろす。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!