15人が本棚に入れています
本棚に追加
とうとう男は花屋の前にたどり着いた。
例の娘が出てきた。
目の前に、男の憧れ続けた女がいる。
手を伸ばせば、すぐにでも触れられる位置に。
男の興奮は最高潮に達した。
娘をその手に抱こうと両手を掲げた瞬間、男の身体は硬直した。
娘の目は、男の視線を超える眼力を有していた。
娘に睨まれた男の目は泳ぎに泳いだ。
そして、固まった。
娘は真っ直ぐに男を見たまま、にっと笑った。
「やっと…動きましたか…」
娘の目は、罠にかかった獲物を仕留める目をしていた。
最初のコメントを投稿しよう!