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「あなたには、別に悪気があったわけじゃない。
ただ、そういう対象が欲しかっただけ。
それがたまたま、大人しくて反抗しそうにない姉の星子だった」
娘の顔が紅潮してきた。
男は依然硬直したままだった。
「あなたはそれでよかったかもしれない。
でも…姉は1人で苦しんでた。
しばらくは相談できる友人もいたけど…
時が経つにつれ、その友人たちも姉の元を去っていった。
同類として扱われたくないから。
孤独になった姉は誰にも相談できずに…首を吊った」
娘は男から視線をそらし、うつむきながら続けた。
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