輝かしい無関心

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輝かしい無関心

 男が娘を見つけたのは、1年ほど前になる。  男はそれまで、この地下街に来ることはなかった。  大通りから階段を下ると、こちらには足を運ばず、そのまま駅の改札へと真っすぐ向かい地下鉄に乗る。  彼にとって地下街の華やかさは眩しく輝かしい世界で、そんな場にみすぼらしい自分の姿をさらけ出すなど、とてもできる芸当ではなかった。  彼はいつもその眩い光を憧れの眼差しで見ていた。
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