男 出撃

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男 出撃

 笑顔で優しく人に接するその娘に、男は年甲斐もなく惚れた。  男が今までの人生で抱いたことのない感情だった。  その日からだった。  男が花屋の前の古びた喫茶店に入り浸るようになった。  そして、その2階にある窓から彼女を見続ける日々が始まった。  初めは見るだけで、心がときめいた。  彼女の顔、揺れる髪、花を束ねるその仕草を見るだけで、胸がどきどきした。  そしていつしか、彼女に触れたいと思うようになっていた。
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