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宿った命に、夫も義母もとても喜んだ。
よくやったと褒めちぎり、大事な身体だと労った。
ベルは素直に嬉しかった。彼らの手のひら返しに怒りや疑心を抱くことはなかった。
彼女はどこまでいっても、愛にくるまれて育った甘ちゃんのお嬢さんだったのだ。
日に日に大きくなるお腹を撫で回し、綺麗な歌を聞かせる。
話しかけ、私の赤ちゃん愛していると小さく囁いたりもした。
彼女にとって、なんと甘く楽しく美しい日々だっただろう。
そしてついに予定日を3日ほど過ぎて、小さな小さな女の子が産まれた。
美しい月の浮かんだ夜だ。
夫婦は産まれてきた女の子をミア、と名付けた。
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