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ある女の生涯
その女の名はベル。
田舎のごく普通の家庭に産まれた。
時に傷付き、しかし少女時代の大半を幸せと共に生きた。
そんな彼女は恋をする。
彼は隣町の青年。
十歳も年上の彼に彼女は夢中になった。
会えば常に甘い言葉を囁き合い、将来は温かな家庭を築きましょうと話し合う。
二ヶ月後、二人は結婚した。
周りは早すぎやしないか、と心配したが彼女は首を振って微笑んだ。
「恋に期間も年齢も、年の差だって関係ないわ。私たちは互いをよく知っているもの」
彼女は結婚して隣町へ。
彼の母親の住む家にやってきた。
彼がこう言ったからだ。
「僕の母は、君のことをとても気に入っているんだ。一緒に住めば、きっと君の助けになるよ。ね? 家族なんだからさ」
甘い声のその言葉に、ベルは夢見心地で頷いたのだ。
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