猫メイド。

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「ニャ〜……フッフッ。」 「何だイチカー、まだ寝ないの?♪」 「ミャ〜〜。」 「眠い癖に何言ってんだか…♪」 「ぁ…。あの。」 「ん?…ランタンなら消しても良いよ?猫は暗いの平気だからね。」 「あ、はい、消し方なら分かりますっ。…おやすみなさい。」 「うん、おやすみ。センカ、イチカ♪」 「ニャア…」 「…。」 段々とオウコさん…オウコ殿のことが分かって来た気がする。 …この人はちょっと考えただけで私の考えてることまで当ててしまう。それで、困っていることに手を貸してくれる。 …そうだ。私は貰ってばっかりだ。お金のことだってそう。 …でも、私は屋敷での生活以外何も知らない。 …オウコさんや村の人達みたいに何かを作れば、お金が貰えるかな? でも何を?どうやって?…私はこのお布団のことだって何も分からない。 「…。」 ロウソクの火が風に揺さぶられて、消えてしまう。 …火って、とても温かいんだ。 ふとそんなことを思い出した。 …何も無い訳じゃ無い。 …いいや。無いものが多い、不自由が多いからこそ、人はこうして考えるのかも。 何も無いからこそ、きっとそれを補う何かが生まれる。 「…♪」 そう思ったら、私にも何かは出来るような気がして来た。 …今は足りないものが多過ぎるから、きっと貰ってばかりなんだ。 …今日よりも明日。出来ることが増えますように。 「…。♪」 目を閉じて、オウコ殿のことを考える。…ちょっとよく分からない人だけど、何時も一緒にいてくれる。 …私は迷子。何処に行けば良いか、分からない。 じゃあここで、私に出来ることを探そう。 「…ヘジュッ!」 「…おや、今日はバタバタしてた気もするし、埃でも溜まってるのかな…?…んぅ、寝たいけど…。」 はっ…!? 「分かりました、私がお掃除しますっ!オウコ殿は是非眠っていて下さい♪」 「え…今から…?」 「大丈夫です♪夜は私も得意ですから!」 「そう…じゃあ宜しくね…。」 「はい!♪」 「…ふ…♪」 「…ぁの、掃除用具は何処でしょうかっ?」 「…流し台の下…。」 「ぉお…!?こんなところに…!♪ ふんっふふーん…♪」 いざ、お掃除開始です!☆ 「……はぁ…♪(溜め息)」 「…ヘェシュッ!(くしゃみ)」
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