猫メイド。

21/21
前へ
/57ページ
次へ
「…これで良し、と♪」 薄油紙に生地を包み、食料庫へと。 「ふむ、朝食はパンかな?」 「はい…またイチカさんは食べられない料理ですが…。」 「良いさ♪ …そうそう。君は何時(イツ)も朝早く起きているだろう?(ナン)()かは知らないが…。」 「は、はい…。」 「すること無くて暇なら、囲炉裏を使ってても良いよ? ご飯の良い匂いがしていればリラックスして気持ち良く起きれるかも知れないからね♪」 「…は、はは…♪」 「機車の練習だってそうだ。センカがしてくれれば僕の助けになることもある。やりたいことがあったらやりなさい。」 「…はぁ……♪」 「…フ♪」 …やっとこの子の喜ぶ台詞が言えるようになっただろうか? …流石に早朝に機車は近所迷惑だから、苦言を呈さねばならないが。♪ 「ふ、む…?」 帯麺とは。麺、麺料理か…食べたこと無いかも。 「ど、どうぞイチカさん…猫用、“なんちゃってタイ麺”です……。」 「ニャ?ニャ〜…ウ。ウムッ…ウマッ、ミャッ。ウッ♪」 「…これ、ただの長い挽き肉なんじゃないの?♪」 スープ付きの。 「…ぁはは♪ですよね……。」 「まぁ良い♪では有難く。いただきます。」 「…いただきます♪」 「ん〜〜♪」 「ふむ…美味いぞこれ!特にスープが良いっ。」 「魚と肉を出汁にしてみました…♪」 「ふむ、出汁か…。」 煮物は手間だからあんまり作ってなかった…。こんなに美味かったのか…♪ 「…さて、じゃあ皆で風呂に行こうか。」 「皆…イチカさんもですか?」 「ぁあ。集会所で預かって貰う。」 「…銭湯は苦手なのでは?」 「…僕も少し変わろうかと思ってね♪」 「…はぁ…?」 「ぁ、そうそう。呼び名の話ね。」 「はい…。」 「センカは好きに呼べば良いよ。“主”だけなら家主でも店主でも解釈させれば良い。 ただ…僕は主従関係とかは良く分からない。と言うかワタシは…多分センカとそう言う関係になりたい訳じゃないから。」 「…主殿。」 「呼びたければお好きに。自己責任でどうぞってことだね♪」 「はい…宜しくお願いします、主殿!」 「ぁあ…宜しく、センカ♪」 「…それにしても、宜しくって結構何度も言ってないか?」 「ふふ♪そうでしたね…♪」 「…まぁ良いか。」 「はい♪」
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加