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「ミャ~…。」
「良し良し…♪」
“タイ麺”を食べた後。軽く眠そうなイチカを撫でて静かにさせて置く。
──ここは銭湯の中、“集会所”。詰めればギリギリ20人は座れる程度の広さだ。今は10人程が座って、センカの言葉を待っている。
「あ、あの…センカ・アルティアですっ。
この“ユフィーダ村”で暮らすことになりました…宜しくお願いしますっ…!」
「ふふ…♪」
逸早く拍手をして発言権をキープしつつ、センカが居やすい空気を流してやる。
「…♪」「おう!」「ヨロシク…」
他の村人も空気を読んで優しく拍手で答えつつ。何人かの返事も聞こえて来る。
「えー。彼女はウチの親戚の女の子で、遠くサティール地方からはるばるこの村までやって来た。
…ワタシも理由はまだ聞いていないので、どうかその辺はあまり詮索せずに、不慣れなことがあったら力を貸してあげて下さい。お願いします。」
「…。」
…ワタシは別に、何時もこんな感じなんだが…村人の態度も大体こんな感じなので“終わったから気にせず続けて”と言う風にジェスチャーをする。
「ははっ♪こんな嬢ちゃんに体を見て貰えるのか…良いなぁ!俺も冒険者になってみようかなあ♪」
「は、はい…?」
「おっと、滅多なことを言わないで戴きたい。
彼女はウチの鍛冶屋が始まって以来の従業員になってくれるかも知れない子なんだ。セクハラが嫌で出て行かれては困る。」
布団屋「ハハハ♪だとよラッド!」
「何だとぅ!?女主人も相変わらず口が悪いな!?」
僕「それはお互い様ですよ酒屋さん♪」
「はは♪“旦那”と“女主人”の口戦争だ♪良いぞー☆もっとやれ!」
「…女主人って言うか、若旦那じゃないか…?胸が…「何か言ったかウィード?」…何でもありませんっ!」
センカ「…はぁ……?」
ワタシ「フ♪ここは大体何時もこんな感じだよ。」
洋服屋の女「そうよ♪…男達が酒飲んで寝る部屋みたいなもんなんだから♪」
「ニャ~。」
イチカがアルメーティアさんに擦り寄る。…メスの癖に女好きだ。…まぁ、遊んで貰う時は男連中にも寄って行くが。…ほぼ遊具扱いだろうな。
「はぁ可愛い〜…♡
ウチが服屋じゃなければなぁ……。」
僕「フ♪何時もすみません、散歩の時に迷惑掛けたりしてませんか?♪」
「たまにね…♪この前はちょっと目を離した隙にカーテンを巻き尺のように刻んでくれたわ♡」
ワタシ「ぁ、ぁはは…。」
「ニャ~♪」
「にゃーじゃない。嬉しそうに鳴くなっ。お前のことだぞ。」
リディ「ほらほら、そろそろお風呂のボイラー止めるからね?入ってない人は早く入って~?」
「…センカ。」
「は、はいっ。皆様また今度…!♪」
「…やっぱ広い風呂は違うなぁ。ぁあ~…♪」
リディ「オッサンか。」
「五月蝿い。ワタシはお前と違って男湯なんて覗いたことは無いんだ。」
「仕事なんだからしょうがないでしょ!?」
「浴室で騒ぐな。」
「ぁーっ!?」
「ふっ…ぐぐぐっ…!」
互いに相手の手を掴み、押し相撲で争うことに。
「くぉっ…!?」
リディ「ふっ…♪」
指相撲では負け無しだが、ワタシは押し相撲では致命的に“引き”に弱い。攻撃を避けられてバランスを崩してしまう…
「…はぁっ!」
「わわっ!?」
どぼーん!
倒れる力を利用してリディを突き飛ばす!勝った!!
「(がばっ!!)もう危ないでしょっ!?頭う…頭打ったらどうずんの!?」
「す、すまん……あと鼻水出てるぞ。」
「アンタの所為でしょうがっ!ぁー…このお湯マっズ…!!」
センカ「た、タオルどうぞ…!」
「あ、ありがとう…ってウチのタオルだけどねコレ。
…はぁーもう大人気無いんだから。そんなんだからね、胸だって子供のままなのよ?」
「な…!!」
「ほーら悔しかったら大人になりなー☆」
「っ…!っっ…!」
拳を握り、歯を食い縛って怒りに震える。
「ちょ!暴力反対暴力反対!」
「…。」
「な、泣かなくても…。」
「…泣いてない。」
「いや思いっきり泣いてるじゃない…ほらタオルっ。」
「…お2人はとっても仲が宜しいのですねっ♪」
『はぁっ?』
あ、ハモった…。
「こんな生意気な女と仲良くなった覚えは無い。」
「アンタが生意気とか言うなっっ。アタシだって願い下げよっ!」
『……。』
「ま、まぁまぁ…♪」
「…でも、安心しました♪
皆さん、主殿と親しげに接しておられて…」
「…ぷ♪どっちが保護者だか♪」
「…。
…違う。今日は偶々そんな雰囲気だっただけだ。…大体、ワタシは文句を言ってただけだろうに。」
「そうそう♪こんなのただの偏屈ババァよ〜?」
「…リディ、お前喋り方が女になってないか?」
「アンタに言われたくないわよっ。」
「好い加減覚えたらどうだ?ワタシは女だと言っているだろう。」
「普通の女は僕、なんて言ーいませんー。」
「馬鹿らしい。大体……」
「…ふふ…♪」
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