11人が本棚に入れています
本棚に追加
「ん~…」
「…何だ。」
──ヨツバが急に槌を止めた。休憩では無いと感じたので、僕も手を止める。
「ねぇオウコ、休憩しないの…?」
「何だもう疲れたのか?」
「…いやそうじゃなくて…」
「…。…?」
思わず仕事に戻ろうとする。しかし何かが引っ掛かる。
「…センカちゃんとオウコってお似合いかもね。♪」
「は…?」
「オウコは鉄を打って、センカちゃんは買い物でしょ?」
「…何が言いたい?」
「…何か楽しくないなーって?」
「…何だ、構って欲しいのか?」
「ニャ。」「そうだよーっ!」
その場で寝ていたイチカを抱っこしながら言う。
「…そんなこと言われてもなぁ。」
頭を掻きたい気分だが、別に痒くないので掻きもしない。
ヨ「それ、イチカ攻撃ーっ!」「ニャ-。」
「…やめれ。」
センカ「只今戻りましたっ♪あれ…?」
ヨツバ「がおーー。」イチカ「ニャー。」
僕「…お帰り。」
「休憩でしょうか…?
それでしたら主殿、ヨツバさん、お飲み物は如何ですかっ?」
「…ふむ。まぁ一段落はしてるし、一旦休憩するとするか。」
「あ、缶ジュース♪中身何かなー♪」
…片手で蓋を潰して飲み始めるヨツバ。恐らく今“女子力”が減った。…と言うか、黒豆茶だと書いてあるだろう。
「ぁっが。」
フタを歯で挟んで、両手で缶を捻じるようにして外す。
「あ、主殿…」
「何だ。」
「ぁはは、それ子供がやる奴じゃん♪」
「ウルサイ。」
昔からの癖なんだから仕方無いだろう。
「…ふぅ。──悪かったな、仕事ばっかりで。」
「ぁははっ♪こうして缶ジュースとか飲んでると懐かしいよね~」
「…そうだったな。…長い間1人で仕事していたから、忘れてたよ。」
ヨツバ「分かればよろしー☆」
「おい。何でバイトの癖に偉そうなんだ。」
「何をーっ!?」
「…フ♪」
「ぁははっ♪」
「…しっかしお前も、普段からカンカン鳴らしてるのに良く寝られるよな。」
「ぁっはは♪何でだろう?朝の方が寝やすくてさー?」
「…どう言う神経してるんだお前は?」
…まぁ、こっちも子供の頃からの癖と言う奴だろうか。
「良しじゃあ仕事に戻ろーっ☆」
「…はいはい。」
「ところで鎧だけ?武器とか作らない訳ー?」
「今回の依頼は鎧だけだよ。」
「えーっ?」
最初のコメントを投稿しよう!