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…朝。パチリ、と目が覚める。睡眠時間は7時間くらい。外はまだ少し暗い。
──オウコさんよりも早く目が覚めてしまった。掃除でもしようかな…?
──うーん…。部屋は少し散らかってるけど、汚れとか埃は殆ど無い。…唯一、汚れが目に付くのは工房の方だけど…これは多分触っちゃいけないと思う。
「ふぅ……♪」
──外に出て、日の光を浴びてリラックス。
とても気持ちが良くて、しっぽがうねうねと動く。
「…あ。」
──小さい頃は良く尻尾が動いて、それをご主人様に咎められていた。(尻尾の)骨を折られたこともある。
…今のごしゅじ…オウコ様は怒らない。そればかりか、動く尻尾を見て不思議な微笑みを浮かべていた気がする。
──ぁあ、ここは…こうして外に出ても、どれだけ尻尾を動かしても良いんだ…。
「…♪」
──どう尻尾を動かして良いか分からなくて、私は夢中で尻尾を動かしていた…♪
──音を立てないようにパジャマを脱ぎ、メイド服に着替える。
うーん…何かお世話することは無いかな…?
「…。」
勝手に火を焚いちゃ怒られるかな…?それに、もしかしたら起こしちゃうかも。
「フゥー…。」
「…ぁ。…おはようございます…。」
「ニャァ。」
ちらとこっちを見て、ブルブルと体を振って、足で顎を掻く。それから軽くあくび。伸びをして…歩き出す。
「…。」
ベッドをちらっと見て、オウコさんの寝ている綿のベッドへ。
「…。」
綿を前足で触って良く観察してる。
「…。」
飛び乗った。
「んぅ〜……ん…?」
オウコ様が寝返りを打つと、顔がイチカさんの胸に当たった。
「くす…♪」
思えば人の寝相を見るのは初めてかも。
「ニャァ〜。」
「んぅ〜〜…。」
「ぁっ…」
イチカさんがオウコ様の顔に両手を乗せて起こそうとしてる…どうしよう、止めるべきかな…?
オウコさん「ふ、ふふっ…♪んぅ。」
ね、寝ながら笑ってる…。このままでも良いかも…?
「ニャァア〜ッ。」
「あっ…」
「ふがぁ…!」
頭突きのように顔をぶつけるイチカさん。
「んんん…ちょ!イチカぁっ…!」
「ぁあっオウコ様…!」
「ニャァ〜ッッ。」
オウコ様の顔に頭を押し付けて起こそうとしていたイチカさんを引き剥がす。
「…ふぅ〜…助かったぁ…んんぅ。」
眠そう…と言うより苦しそう?
「ニャァ〜〜。」
「はいはいご飯ね…ちょっと待って。ちょっと…。」
「あの…大丈夫ですか…?」
「…ぁあ……ちょっと低血圧でね…。」
「ていけつあつ…?」
「っ…。 はぁ…寝起きは調子が出ない体質ってこと…。」
「ぁ、はいっ…」
「……顔でも洗って来るよ。」
「はい♪」
「ニャァァ〜ッ。」
「5分!5分は待ってくれないかねイチカさんっ?」
「ふふっ…♪」
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