act.2 穂高

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   唯と直接会えた二回目。  問い詰めたい訳じゃないのに、頭に渦巻くのは質問ばかり。知りたい事が多過ぎて脳内シナプスが脱線したまま一向に繋がらない。矢継ぎ早とはこう言う事なんだろう。だが唯は淡々と答えてくれる。淡々とし過ぎじゃないかと思うほど。 「僕学生なんで。勉強しないといけないんで」 「こんな遅くまで、それも外でか!」 「はあ。就職試験に向けたダブルスクールってやつです」 「就職……」 「四年生ですから。もうすぐ本番なんで結構必死です」  そうか……!俺は唯の正確な年齢を知らなかった……!見た目だけで十代に違いないと思い込んでいたが……!  でも待て。四年生だと?就活だと?俺は就職活動をした事はないが、希望する企業等に履歴書を送って面接やら試験やらを受けるアレの事か。じゃあ唯はあと数か月程度しかここには居ないという事なのか……! 「卒業したら、もうここでは働かないのか」 「そりゃそうですね」 「じゃあどこに行けば会えるんだ」  脱線していたシナプスが、悲しみ方面へ繋がって行く。俺のこれからの人生に唯不在なんて耐えられない。  畜生………!  ムクスケもうららも適当過ぎる。こんなに俺の恋心を盛り上げておきながら。唯と確実に会える機会がいきなりぐらつくなんて考えつきもしなかった。
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