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この日掲げた目標は達成出来た。
唯は熊の人形を受け取ってくれた。
やっぱり……唯に似合う。こんなにこの熊が似つかわしい男の子はきっと唯だけだ。
「熊は……好きです」
いつか唯に、俺の事も好きだと言って貰えたらいいな、と思う。時間は限られているのかも知れないが、それでも少しずつ距離を詰めたい。恋愛対象になれなくても、どんな形であっても唯にとって必要だと思って貰えたらどんなに嬉しいだろう。
唯の乗ったタクシーを見送っていると、店長が傘を差し掛けてくれた。
「一途ですねえ……応援したくなっちゃいました」
「ありがとう。今日は無理を言って申し訳なかった」
「また明後日、晩ごはん食べにいらして下さい。言ってくれたらメニュー以外のものでも作りますよ。定食とか」
「あのパスタがいい」
「気に入って頂けて光栄です」
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