act.3 俺、知ってるからな

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   自分がゲイなんだろうな、とは薄々解っていた。  薄々なのは、生身の男性にはっきりくっきり恋愛感情を抱いた事がないからだ。  俺が胸を焦がすのは幼少期から男装の麗人に限られていた。  あと、ロバートさんにしろ櫻井先生にしろダンディなおじさまに憧れる事は多い。  娘役さん達は可愛いなー美人だなーと思う事はあっても、正直、男役さん達への情熱とは一線を画している。俺の理想そのまんまの存在は男役さん。俺はあの人達を女性としてではなく男性として捉えているんだと思う。  かと言って仮の仮の仮の仮に素敵な男役さんに告白とかされたとしても、生身が女性の彼女達と恋愛出来るとはとても思えなかった。
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