act.3 俺、知ってるからな

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   困った。  胸がざわざわする。  好意を持たれている事は物凄く伝わる。でも色々……色々……困る。  具体的に何が困るのかはちっとも思い浮かばないのに俺は困ってる。  ベッドに寝転んで見上げる天雪さんの完璧な微笑みより、あの仏頂面が心を占めている。  やっぱりこんなのはズルい。  くま……セロファンを外すのが勿体ない。この豪華なくるくるリボンも解きたくない。  でも抱き締めたい。セロファンのパリパリ感と通気性の悪さが嫌だけど抱き締めて眠りたい。乙女か。 「きみの名前はロバートJr.にしよう」  そのまんまだな。
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