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紙パックのジュース二つと菓子パンを買い、
仕事帰りの疲れたサラリーマンの背中に紛れながら、
自転車を押し歩き、小さな公園に着いたのは午後6時過ぎだった。
人気の無い公園のベンチに腰掛け、
真彩と二人で下らない話をしながら大笑いしていると、
突然大きなエンジン音を立てながらやってきた2人組。
多分高校生だろうなと思いながらボーッと眺めていると、
彼らは真っ直ぐとこちらに向かってきた。
真彩といるとナンパされる事が多いから、ある程度は慣れていた。
「何してるの?」
切れ長の細い目をしている茶髪の一人が、
ゆっくりと歩み寄りながら声をかけてくると、
「遊んでる」
真彩は、慣れた様子で愛想よく答え、
「家ここら辺なの?」
大きな瞳のたれ目男が、私に視線を向けた。
「どうかなぁ‥?」
真彩に視線を移すと、
「チャリで三十分くらい、かな?」
そうゆっくりと私に視線を戻す真彩に、
「へぇ、結構走ってんじゃん?」
細い目の男はニッと笑った。
「若いっしょ? しかも2人乗りだしね」
得意げに笑う真彩に、
「どこ中出身なの?」
たれ目の男が、興味深げに私達を眺めた。
「え~っ、うちらまだ中二だよ?」
真彩が、大袈裟にガッカリした様に声を上げると、
「そ~なんっ?」
「俺らとタメぐらいかと思ったぁ」
たれ目の男は目を真ん丸くさせ、細い目の男は感心した様に笑った。
「この子、色っぽいもんね?」
「んなワケないでしょぉ?」
真彩が突然視線を向けてきたから、慌てて否定すると、
「うん、可愛い」
たれ目の男が、マジマジと私を見詰めた。
「え‥?」
可愛い? 私が?
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