It's now or never.               [今を逃したらチャンスはない]

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「真珠はまだ同じ仕事?」 「ん、相変わらず歩き回ってる」 事務職を経てから外勤営業に配置換え。それからはずっと営業職のまま。 「家を売るんじゃ大変だろ」 「楽では無いけどがんばっているのよ」 他愛もない会話が続くとほっとする。 「あ、下で呼ばれてるな」  部屋の奥を振り返って響が窓に手を掛ける。 「話せてよかったよ、またな」 「ん、私も。おやすみなさい、響」 すっと窓が閉められる。閉じたのを確認してから私も窓を閉める。  胸が高鳴り続けてドキドキしている。 「響……」 ほんとはね、もっとたくさん話したい事がある。  だけど―― 帰ってきた響に言えない事もたくさんある。 「どうして…… 今頃」 また涙が零れないように、上を見上げてぎゅっとまぶたを閉じた。
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