舞踏会への扉

13/13
前へ
/156ページ
次へ
 真珠に起きた事を全て打ち明ける。事故を起こした事は黙っていたから怒られたけれど、琥珀に関しては意外な言葉が返ってくる。 「少なくとも悪意でやらないわ。そこでサインをしてきたならする必要がないもの」 メッセージカードを手に取り眺めると、閃いた様ににっこりと微笑む。  子供っぽい私に比べたら、姉の真珠は美人だ。モデルをするなら真珠の方が似合う気がする。  さらさらした長い髪を見ていると溜息が出る。姉妹なのに私はふわふわとしたくせ毛。 「瑠璃ったら、聞いているの?」 「あ、ごめん。なあに」 ふぇん。プレッシャーが大き過ぎて潰れちゃいそう。 「舞踏会、私は賛成よ。きっといい経験になるわ」 いっその事代わって欲しい。真珠を上目遣いに見上げたら、またくすっと笑われてしまう。 「真意が知りたいわね」 カードを私に手渡すと自室へと上がって行く。  運命―― 私が知りたい、その言葉の意味を。
/156ページ

最初のコメントを投稿しよう!

827人が本棚に入れています
本棚に追加