ガラス越しの誘惑

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『わかったわ、着替えて待ってる』 「了解、これから迎えに行くよ」  薄手のジャケットを片手に自宅ガレージへ。自車は目下修理中だから代車を借りている。  瑠璃とは学生時代からの付き合い。家も車ならさほど遠くないところ。朝の渋滞もなくスムーズに瑠璃の自宅へ到着する。 「おはよう、一輝」 ふわっとした髪を横に束ねて、タイトな服装で瑠璃が現れる。 「一輝? どうかした?」 いつもより瑠璃が女性らしく思えてドキッとする。 「あ、いや、行こっか」  最初の目的地は―― FAXは数枚有り、ご丁寧に時間と場所、連絡先まで載せられている。 「ナビ入れたの?」 「迷ったら時間遅れるだろ」
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