ガラス越しの誘惑

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 二時間程して瑠璃から連絡が入る。車を停めて運転席の外へ出て瑠璃を待つ。 「一輝!」 駆け寄る瑠璃を見て目を見張る。  元々ふわっとした髪にナチュラルな無造作ウェーブがかかり、カラーリングもしたのか陽射しの下で綺麗な髪色が揺れ動く。 「やば、可愛い……」  一瞬瑠璃に見惚れていると、駆け寄って来た瑠璃が俺の顔を覗き込む。 「軽さを出すためにレイヤーを入れたらしいの。どうかな?」 似合い過ぎて――  「おかしい? 一輝?」 瑠璃が顔を傾げると輪郭に合わせて柔らかに髪が舞う。 「つ、次。早くしないと遅れるよ」 「本当だ、待たせてごめんね」 慌てて助手席側へと瑠璃が向かう。  瑠璃は綺麗だよ―― ったく。本人に言えなきゃ意味が無いんだよな。苦い笑いと共に俺も車に乗り込んだ。
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