ガラス越しの誘惑

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 美容院を済ませて次はエステティックサロンへ。そこでも一時間程待たされ、移動を重ねてさらにマッサージ店へ。 「御連れ様もご一緒にどうぞ」 個室タイプで瑠璃とは離れていたが、待ち疲れもありそこは素直に受けさせてもらう。  何も変わらない俺に対して、瑠璃は一件廻るごとに艶っぽくなって行く気がする。 「美容エステのせいかしら」 うっすらと紅く染まる自分の頬を撫でる。  FAXにある指示通りに次の目的地へ向かう。最近グランドオープンしたばかりのラグジュアリーモール。入口ホールの中に足を踏み入れると、吹き抜けの空間が目の前に広がる。  あまりの規模の大きさに面食らい、さすがに瑠璃に付き添う。指示はブランド店が五軒。  「服と靴、ジュエリーに…… バッグ」 「もう一店舗は?」 瑠璃が口を尖らす。なんだよ、意味がわからず瑠璃の手元のFAXを覗き込む。 「ランジェリー……」
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