824人が本棚に入れています
本棚に追加
/156ページ
美容院を済ませて次はエステティックサロンへ。そこでも一時間程待たされ、移動を重ねてさらにマッサージ店へ。
「御連れ様もご一緒にどうぞ」
個室タイプで瑠璃とは離れていたが、待ち疲れもありそこは素直に受けさせてもらう。
何も変わらない俺に対して、瑠璃は一件廻るごとに艶っぽくなって行く気がする。
「美容エステのせいかしら」
うっすらと紅く染まる自分の頬を撫でる。
FAXにある指示通りに次の目的地へ向かう。最近グランドオープンしたばかりのラグジュアリーモール。入口ホールの中に足を踏み入れると、吹き抜けの空間が目の前に広がる。
あまりの規模の大きさに面食らい、さすがに瑠璃に付き添う。指示はブランド店が五軒。
「服と靴、ジュエリーに…… バッグ」
「もう一店舗は?」
瑠璃が口を尖らす。なんだよ、意味がわからず瑠璃の手元のFAXを覗き込む。
「ランジェリー……」
最初のコメントを投稿しよう!